抜歯と非抜歯について
歯は、親知らずを含めて全部で32本あります。どの歯も大切な歯ですし、1本でも抜くのはためらわれることでしょう。わたしたち矯正歯科医も、抜かないで矯正治療できるなら、それに越したことはないと思っています。
歯は、上あごと下あごそれぞれ、｢歯槽骨｣というU字型をした骨の上に植わっています。歯槽骨の大きさと歯の大きさの調和がとれていれば、でこぼこにはならずにきれいに並びます。しかし、歯槽骨に対して歯が大きかったり、歯の大きさに対して歯槽骨が小さかったりすると、並びきらずにでこぼこになります。
その不調和の程度によって、でこぼこが軽度であれば、歯列(もしくは歯槽骨)を少し広げてあげながら歯を抜かないできれいに並べることができる方もいます。しかし、不調和が大きいのに、歯列(もしくは、歯槽骨)を広げて無理に歯を並べてしまうと、先述したように口が閉じにくくなるだけでなく、せっかく矯正治療できれいな歯ならびにしても後もどりしやすくなります。そのような方には、抜歯をおすすめします。
現在は、矯正用アンカースクリュー（矯正用インプラントアンカー）などを用いて大臼歯（奥歯）の遠心移動（後ろに移動すること）により、歯を並べるスペースをつくることができる場合は、多少のでこぼこでも非抜歯で治療を行うことができるため、まずはご相談ください。
歯と歯槽骨の関係
歯と歯槽骨の大きさの調和がとれている場合
多少のでこぼこがあっても
並べて
あげると
きれいに並びます。
歯と歯槽骨の大きさの調和がとれていない場合
歯槽骨に対して歯が大きいので、でこぼこになります
ムリヤリ
並べると
きれいに並びますが、外側に広がります。
